昨日出会った少年の話し

昨日は、ウォーターヒヤシンスの収穫へ行く日だった。

今年は湖に全く水がない。
去年の今頃はボートを漕いでいたというのに・・・。

湖のほとりの凹みにかろうじて残る水たまりに自生しているウォーターヒヤシンスを収穫してゆく私たち。

そんな湖に水のなくなった、言い換えると「湖の底」、で、あひるの大群が。
12歳くらいの男の子があひるの後をついて歩いている。
やせていて、真っ黒。ボロボロの服に、髪の毛はばさばさ。

スタッフの一人が声をかける。


「どこから来てるの?」

「シェムリアップの隣の州から。」

「家族と一緒に?」

「僕一人。」



と。


詳しく聞いてみると、お父さんが酒飲みで、子供たちをなぐる。学校に行かせてもらえず、家族と離れて働きに出されたところが、アヒルを育てて、卵を町に売りに行くビジネスの、アヒルの世話係なのだそう。見知らぬ村で家族と離れ、知らない大人とふたりで、アヒルの世話をしていると・・・。


心がぎゅっとなる。



人恋しいのだろう。

話しかけたうちのスタッフの収穫のお手伝いをし始めた。

それは、きっとお金が欲しいとかではなく、本当に人恋しかったのだと思う。

だって、私たちが収穫に行った場所は「middle of no where=人里離れたところ」本当になんにもないところ。あるのは彼らのブルーシートの掘立小屋とアヒルを囲うところだけ。



うちのスタッフたちも彼の親に対して憤っていたけれど、、、。何もしてあげられない。

「ザ・児童労働」



収穫が終わって、「ありがとね。バイバイ」ってみんなで言って立ち去るとき、
心の奥がぎゅーっとなって、彼の目が見れなかったな。